脱毛症

脱毛症

脱毛とは

一般的に、何らかの原因により、頭髪をはじめとする体毛が抜け落ちる状態を指します。健康な人でも、ヘアサイクルの中で自然に毛は抜け落ちますが、その量が異常に多かったり、特定の部位が部分的または全体的に薄くなったりする場合は、脱毛症の可能性があります。

主な脱毛症の種類

脱毛症にはさまざまな種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。代表的なものをいくつかご紹介いたします。


・男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)
男性ホルモンであるテストステロンが、酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛包に作用することでヘアサイクルが短縮し、毛が細く短くなり、最終的には抜け落ちてしまうと考えられています。前頭部や頭頂部から徐々に薄くなるのが特徴で、進行パターンには個人差があります。女性にも起こりうる脱毛症ですが、男性とは異なるパターンを示すことが多いです。


・円形脱毛症(Alopecia Areata)
自己免疫疾患の一つと考えられており、免疫細胞が誤って毛包を攻撃することで、円形や楕円形に突然毛が抜け落ちるのが特徴です。単発で終わることもありますが、多発したり、頭全体の毛が抜け落ちる(全頭脱毛症)、全身の毛が抜け落ちる(汎発性脱毛症)こともあります。ストレスが誘因となることもありますが、明確な原因はまだ解明されていません。

・休止期脱毛症(Telogen Effluvium)
何らかの強いストレス(精神的・肉体的)、出産、手術、急激な体重減少、特定の薬剤の使用などが原因で、成長期にあった毛包が休止期に移行し、数ヶ月後に大量に抜け落ちる状態です。通常、原因が取り除かれれば自然に回復することが多いですが、慢性化することもあります。


・脂漏性脱毛症(Seborrheic Alopecia)
頭皮の皮脂分泌が過剰になり、マラセチア菌などの常在菌が増殖することで炎症が起こり、脱毛を引き起こすと考えられています。頭皮のかゆみ、フケ、ベタつきなどを伴うことが多いです。


・牽引性脱毛症(Traction Alopecia)
ポニーテールやエクステ、パーマなど、髪の毛が長時間引っ張られることで毛根に負担がかかり、その部分の毛が抜けやすくなる状態です。同じ箇所に負担がかかり続けると、徐々に薄毛が進行することがあります。

 

脱毛症の主な原因

上記のように、脱毛症の種類によって原因は様々です。遺伝的な要因、ホルモンバランスの乱れ、免疫系の異常、ストレス、生活習慣、栄養不足、物理的な刺激、薬剤の副作用、感染症などが考えられます。
ご自身の脱毛の原因を特定するためには、詳細な問診や視診、必要に応じて血液検査や皮膚生検などを行うことがあります。
円形脱毛症は治療対応を、その他治療困難な症状は連携医療機関へ紹介を行っております。
まずは外来予約でご相談ください。

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脱毛症の治療法

診断に基づき、適切な治療法をご提案いたします。治療法は、内服薬、外用薬、注入療法、生活指導など、単独または複数の方法を組み合わせることがあります。


内服薬: 男性型脱毛症に対するフィナステリドデュタステリド(自費のお薬となります)、円形脱毛症に対するステロイドJAK阻害薬などが用いられます。

外用薬: ミノキシジル外用薬(自費)は、血管拡張作用や毛包細胞の増殖促進作用により、様々な脱毛症に用いられます。ステロイド外用薬は、炎症を伴う脱毛症に使用されることがあります。

注入療法: 頭皮に直接薬剤を注入する方法で、発毛を促進する成長因子やサイトカインなどを注入する場合があります。
生活指導: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適切なヘアケア、ストレス管理など、日常生活における注意点をご説明します。

最後に

平井皮膚科クリニックは、患者様が安心して治療に取り組めるよう、丁寧な説明とサポートを心がけてまいります。お困りの症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211 平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211