病気のお話し~爪水虫~
2025.03.17更新
◎爪水虫とは
爪水虫は、白癬菌やカンジダなどのカビ(真菌)が爪に感染することで起こる爪真菌症の一種です。
医学的には爪白癬(つめはくせん)と呼ばれます。
足の親指の爪に多く、足の水虫から続発して起こる場合も多いです。爪が白く濁った状態に
変化します。進行すると爪が厚く変形したり、もろくボロボロと崩れやすい状態になったりします。
このような変化が、始めは1カ所の爪だけに見られますが、徐々に他の爪にも感染が広がり複数の爪に見られるようになります。
◎爪水虫の検査は
1. 視診
• 爪の色や形、厚さなどを観察します。
• 爪が白く濁っていたり、厚くなっていたり、ボロボロと崩れていたりする場合、爪水虫の可能性が疑われます。
• ただし、爪の変形は、外傷や他の病気によっても起こることがあるため、視診だけで診断することはできません。
2. 顕微鏡検査
• 爪の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を確認します。
• 採取した爪を顕微鏡で観察し、白癬菌(水虫の原因菌)が見つかれば、爪水虫と診断されます。
• 顕微鏡検査は、比較的短時間で結果が分かり、痛みもほとんどありません。
3.抗原検査キット
• 爪の一部を採取し、白癬菌の抗原(白癬菌に特有のタンパク質)の有無を確認します。
• 顕微鏡検査よりも感度が高く、早期の爪水虫も検出できる可能性があります。 4. 培養検査 • 採取した爪の一部を培養し、白癬菌を増殖させて確認します。 • 顕微鏡検査で白癬菌が見つからなかった場合や、より正確な診断が必要な場合に行われます。 • 培養には時間がかかるため、結果が出るまでに数日から数週間かかることがあります。
◎爪水虫の治療は
爪水虫の治療期間は、一般的に約1年〜1年半かかります。これは、感染した爪が完全に健康な爪に生え変わるまでの時間です。
・ 内服薬:通常3〜6ヶ月服用し、その後経過観察となります。
最新の薬剤では12週間の服用で1年後に治癒する割合が高いとされています。
・ 外用薬:内服薬よりも長期間の使用が必要で、1年以上続ける必要があります。
治療を開始すると、2〜3ヶ月後には爪の根元から改善が見られ始めます。ただし、完全に健康な爪に生え変わるまでには時間がかかるため、 根気強く治療を続けることが重要です。早期発見・早期治療が、治療期間の短縮につながる可能性があります。 内服薬は患者様の健康状態により使用できない場合があります。詳しくは医師にご相談ください。
◎爪水虫で受診する時は
病院で診てもらうからと爪をきれいに切ってから受診する方がいらっしゃいます。
爪水虫の診断をするには爪を切ったり、削ったりなどして爪の一部が検査で必要となります。
受診される際には爪は切らずにお越しください。
◎爪水虫の家庭でのケア
清潔を保つ
• 足を毎日しっかり洗い、特に指の間も丁寧に洗いましょう。
• 洗った後は完全に乾燥させることが大切です。
湿気を避ける
• 足が蒸れないよう、通気性の良い靴下を選びましょう。
• 汗をかいたら靴下を履き替え、靴も乾燥させてください。
感染予防
• バスマットやスリッパは共有せず、個人のものを使用しましょう。
• 家の中では素足で歩くのを避け、清潔な靴下を履くようにしてください。
適切な治療
• 医師の処方した抗真菌薬を正しく使用してください。
• 外用薬の場合、1日1回、6ヶ月から1年程度継続して塗る必要があります。
再発防止
• 治療後も足の清潔を保ち、長時間の足のムレを避けましょう。
• 足にかゆみや水疱、皮むけなどの症状が現れたら、すぐに皮膚科を受診してください。
爪水虫の完治には時間がかかりますが、これらのケアを継続することで症状の改善と再発防止につながります。ご不明な点があれば、遠慮なくお尋ねください。
≪平井皮膚科クリニックの特色≫
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
≪アクセス≫
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