爪の異常(変形・変色)

爪の異常(変形・変色)

よくある爪の異常

爪は皮膚が硬くなったもので、健康な爪は表面が滑らかで、ほんのりカーブしています。爪の変形や変色、異常にはさまざまな原因があります。

・表面がゴツゴツする、分厚くなる、薄くなる
・爪が変色する(白、黄色、茶色、黒など)
・割れやすい、はがれやすい
・伸び方が変わる、変形する
・爪の周りが赤く腫れる、痛む

1. 爪白癬(つめの水虫)

皮膚科で最も多い爪の異常は爪白癬です。爪白癬は白癬菌というカビが爪に感染することで起こります。特に足の親指の爪に多くみられます。
爪が白や黄色、茶色に濁って分厚くなり、ボロボロと崩れやすくなります。
痛みやかゆみは少ないですが、放置すると爪が大きく変形することもあります。

2. 巻き爪・陥入爪

・巻き爪(まきづめ)
爪が内側へ曲がり、正面から見ると爪が丸く巻いている状態を指します。巻き爪自体は必ずしも痛みを伴いませんが、進行すると爪の端が皮膚に食い込み、痛みや炎症を引き起こすことがあります。

・陥入爪(かんにゅうそう)
爪の端(特に側面)が周囲の皮膚に食い込み、痛みや赤み、腫れ、場合によっては膿や肉芽(赤いできもの)ができる状態です。深爪や合わない靴が原因になることが多く、巻き爪が進行して陥入爪になることもあります。
両者は混同されやすいですが、「巻き爪」は爪の形の異常、「陥入爪」は爪が皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態です。

3. 爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)

爪甲剥離症は、指先の皮膚(爪床)から、爪の先端側から浮き上がって剥がれる状態です。剥がれた部分は白や黄色っぽく見えるのが特徴です。
原因はさまざまで、外傷やマニキュアなどの刺激、真菌(カビ)やカンジダなどの感染症、乾癬や接触皮膚炎などの皮膚疾患、外傷、薬剤、慢性的な刺激、乾燥などが原因となります。原因が分からない場合もあります。

4. 爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)

爪甲鉤弯症は、主に足の親指の爪が分厚くなり、黄色や白く濁って、先端が鉤(かぎ)のように大きく曲がって伸びてしまう状態です。
加齢などが原因で起こることもあります。
けがや合わない靴による慢性的な刺激、爪がはがれた後の変化などが原因で起こることが多いです。
治療は、分厚くなった爪を削り、爪の先端の皮膚が盛り上がっている場合は、テーピングで皮膚を押し下げて爪がまっすぐ伸びるようにサポートします。

5. 肥厚爪(ひこうそう)

爪が分厚くなり、表面がデコボコする状態です。
爪白癬や加齢、外傷、慢性的な圧迫が原因で起こります。

 

6.爪の癌

爪にも「悪性黒色腫(メラノーマ)」という皮膚がんができることがあります。
これは皮膚の色素を作る細胞ががん化したもので、「ほくろのがん」とも呼ばれます。
爪に黒や茶色の縦線(筋)が現れ、その幅が徐々に広くなったり、色が濃くなったりします。
進行すると、爪が割れたり、変形したり、黒い色素が爪の外の皮膚までしみ出すこともあります。
必ずしも黒いとは限らず、色がまだらだったり、周囲の皮膚と同じ色の場合もあります。


※注意が必要なポイント
爪の黒い筋が徐々に太くなり、爪の根元や周囲の皮膚まで色素が広がっている場合は要注意です。
早期発見・早期治療が重要で、進行してしまうと指の切断が必要になることもあります。
爪の黒い筋や色の変化は、必ずしもがんとは限りませんが、放置せず診察を受けることが大切です。
心配な症状があれば平井皮膚科クリニックまでご相談ください。次のリンクから予約も対応しております。

診察予約はこちらのリンクから

皮膚科での主な対応・治療

1. 薬による治療
爪水虫(爪白癬)や細菌感染の場合、抗真菌薬の外用薬や内服薬を使います。爪の奥まで感染している場合は、数か月にわたる内服治療が必要なこともあります。


2. 保存的治療・ケア
巻き爪や陥入爪では、テーピングやコットンパッキング(爪と皮膚の間に綿を挟む)など、手術をしない方法で痛みや炎症を和らげます。爪の切り方の指導も行います。

 

3. 炎症性疾患への対応
乾癬や扁平苔癬などによる爪の異常には、外用薬や必要に応じて内服薬を使い、症状をコントロールします。

 

4. 爪のケア・フットケア指導
爪が厚くなり変形して切りにくい場合、医師や看護師が爪切りやケアを行い、日常生活での注意点もアドバイスします。

 

5. 矯正治療 ※当院では行っておりません
巻き爪には、ワイヤーやプレートなどの器具を使って矯正する治療もあります。

 

6. 外科的治療 ※当院では行っておりません。
保存的治療で改善しない場合や症状が重い場合、爪を切除する手術を行うことがあります。

まとめ

心配な症状があれば当院までご相談ください。症状や経過に応じて最適な治療法を選びますので、お気軽に平井皮膚科クリニックにご相談ください。

平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211 平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211