あせもは、医学的には「汗疹（かんしん）」と呼ばれる、皮膚の炎症の一つです。大量に汗をかいた後、汗の出口である汗管が詰まることで、皮膚の中に汗がたまってしまい、小さなブツブツとした赤い発疹や水ぶくれが生じます。

あせもの主な原因は、以下の通りです。
・多量の発汗: 運動後や高温多湿な環境下では、大量の汗をかき、汗管が詰まりやすくなります。
・汗の蒸発不良: 通気性の悪い衣類を着ていたり、湿度が高い状態が続いたりすると、汗が蒸発せずに、汗管を塞いでしまいます。
・皮膚の汚れ: 汗や皮脂、ホコリなどが汗管の出口を塞いでしまうこともあります。

特に、新陳代謝が活発で汗腺が未発達な赤ちゃんや、肥満体型の方、寝たきりの方などは、あせもができやすい傾向があります。

あせもは、その特徴的な発疹の見た目から比較的容易に診断できることが多いです。しかし、他の皮膚疾患（蕁麻疹、湿疹など）との鑑別が必要な場合もありますので、気になる場合は自己判断せずに皮膚科を受診してください。医師は、発疹の状態や出現部位、かゆみの有無などを詳しく問診し、必要に応じて視診を行います。

あせもの治療は、症状の程度によって異なります。
軽症の場合: 清潔を保ち、通気性の良い衣類を着用し、涼しい環境で過ごすことが基本です。かゆみが強い場合は、炎症を抑える弱いステロイド外用薬や、かゆみ止め（抗ヒスタミン薬）の内服薬が処方されることがあります。
重症の場合: 炎症が強い場合や、細菌感染を伴っている場合は、より強力なステロイド外用薬や抗菌薬の内服薬が処方されることがあります。
自己判断で市販薬を使用したり、間違ったケアをしたりすると、症状が悪化する可能性もありますので、必ず医師の指示に従って治療を行うようにしてください。
平井皮膚科クリニックでも診断、治療を行っています。

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あせもを予防し、悪化させないためには、日々の生活の中で以下の点に注意することが大切です。
・こまめに汗を拭く: 汗をかいたらすぐに清潔なタオルやハンカチで優しく拭き取りましょう。
・シャワーや入浴で清潔にする: 毎日シャワーや入浴で汗や汚れを洗い流し、皮膚を清潔に保ちましょう。入浴後は、しっかりと水分を拭き取り、通気性の良い衣類を着るようにしましょう。
・通気性の良い衣類を選ぶ: 吸湿性や通気性の良い綿素材の衣類を選び、締め付けの少ないゆったりとした服装を心がけましょう。
・室温や湿度を調整する: 暑い日はエアコンや扇風機を利用して室温を適切に保ち、湿度が高くならないように除湿を心がけましょう。
・ベビーパウダーの適切な使用: ベビーパウダーは、汗を吸収し皮膚をサラサラに保つ効果がありますが、つけすぎると汗管を塞いでしまう可能性もあります。使用する場合は、薄く塗布するように心がけましょう。また、すでに発疹ができている部位への使用は避けるべきです。

あせもは、適切なケアを行えば比較的早く治る皮膚のトラブルです。しかし、放置したり、間違った対処をしたりすると、悪化したり、他の皮膚炎を引き起こしたりする可能性もあります。医師の指示に従って適切な治療とケアを行うことが重要です。もし、あせもができてしまった場合は、我慢せずに早めに平井皮膚科クリニックにご相談ください。