こんにちは、平井皮膚科クリニックです
秋も日増しに深まってまいりました。
日中は清々しい天気ではありますが、朝晩は冷え込みますので、体をよく温めて風邪をひかないように注意してくださいね
お湯を沸かしたり、湯たんぽなどを使用される方も多いかと思います。
熱いものを扱う際はやけどに注意して、また、湯たんぽやホッカイロによる低温やけどにも注意してくださいね。
今回は熱傷(やけど)についてお話しします
【 熱傷とは 】
皮膚に高温が作用したために起こる傷害を熱傷(やけどのことです)といいます。
高温の液体や固体が一定時間以上接すると生じます。
火災や爆発などで生じることもあります。
やけどは深さによりⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度に分類され、皮膚組織(外側から表皮・真皮・皮下組織)のどの部位まで損傷しているかで決定されます。
皮膚の薄い子どもや高齢者は損傷レベルが深くなります。
Ⅰ度(表皮より浅い)…数日で治り、傷跡が残らない。
Ⅱ度(表皮・真皮)…1~4週間ほどで治り、傷跡が残る場合はある。水ぶくれなど。
Ⅲ度(皮膚全層・皮下組織)…治癒までに1か月以上かかる。黒色・白色に乾燥し、痛みを感じない。傷跡が残る。
*低温熱傷
44~60度の比較的低い温度で生じるやけどを低温熱傷といいます。
湯たんぽ・電気あんか・電気毛布・使い捨てカイロなどによる低温熱傷が多く報告されます。
【 熱傷したら 】
応急処置として、やけどをしたら直ちに冷却してください。
冷却することにより、熱による皮膚への損傷が深くなることを防ぎます。
また受傷部位の痛みを和らげることができます。
・衣服は無理に脱がないでください。
・衣服の上から流水を直接流します。
・20分ほど冷却します。
・子どもや高齢者は低体温症に注意してください。
・水泡を破らないように注意してください。
・指輪などをしている場合は、指が腫れる前に外しましょう。(指のやけどの場合)
・保冷剤は使いません。冷たすぎて凍傷になったり、水泡をやぶいてしまうおそれがあります。
感染などにより損傷が深くなってしまうおそれがありますので、ご自宅での応急処置のあとは、なるべく早めに皮膚科に受診しましょう。
また重症である場合、壊死した皮膚を取り除く手術や、移植する手術が必要となる場合もあります。
【 熱傷の原因 】
高温の液体や固体に接する事で引き起こされる熱傷ですが、熱傷の原因となるものは身近に多く存在します。
・液体
ヤカンや鍋のお湯・天ぷら油・コーヒーやお茶・熱い味噌汁やスープ・カップ麺などが多く報告されています。
・固体
ストーブ・アイロン・ホットプレートなど。
ヘアアイロン・ヘアコテなどをお使いの方はそちらも注意してください。
・直接の炎
調理中の着衣への引火・仏壇のロウソク・火災。
・その他
花火、炊飯器やポットの蒸気。
・低温熱傷
湯たんぽ・電気あんか・電気毛布・使い捨てカイロ。
【 子どもの熱傷に注意! 】
子どもは皮膚が薄い為、深いやけどになりやすい傾向にあります。
そのため、やけどを予防することが重要です。
・高温の液体(飲み物・汁物)を子どもの手の届く場所に置かない。
・テーブルクロスなどは使用しない。(歩き始めの子どもが引っ張るため)
・子どもが好奇心を抱く炊飯器・ポットの吹出口。
・温風ヒーターの吹出口。
・アイロン・ストーブなどの熱源。
・電気コード・電源のソケット。(口に含んで電撃傷のおそれ)
など、やけどの可能性があるものは身近に多く存在しますので、注意してください!
【 後遺症について 】
浅いやけどの後遺症としては、色素沈着などの色素異常、深いやけどの場合は、肥厚制瘢痕やケロイドがあり、これらが関節に生じることで関節を伸ばせなくなるひきつれを起こすことがあります。
特に、小児は傷跡が成長についていけずに、徐々にひきつれが出てくる場合があります。
また、このようなひきつれが何十年も続いていると、傷跡から皮膚がんが生じる可能性がありますので、注意が必要です。
以上、熱傷についてお話ししました
やけどをしたらとにかく流水等で冷やしてくださいね。
皆様、やけどに気を付けてお過ごしください!
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
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日本形成外科学会/一般の方へ/熱傷
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