こんにちは平井皮膚科クリニックです
気温も上がり、汗ばむ季節となってきましたね
今回は多汗症についてお話しします。
【 多汗症とは 】
日常生活で困るほどの汗が出る病気を、多汗症といいます。
多汗症には体の一部(ワキ・手のひら・顔)にだけ症状が出るものと、全身の多汗症があります。
特にワキ部分の多汗症が多いとされています。
汗っかきと多汗症に明確な線引きはありませんが、「日常生活に支障がある」などの自覚症状がある方は、多汗症と診断される可能性があります。
多汗症は25歳~55歳の働き盛りの世代に多く見られます。
汗による不快感で仕事に集中できない、人前で発表するときに気になる、好きな服を着ることができない、汗拭きシートや制汗スプレーが手放せない、など多汗症で悩む方は少なくありません。
また、夏に症状が強く出やすいですが、季節を問わず一年中悩まれる方もいます。
【 汗が出る理由 】
汗は全身の皮膚にある汗腺から分泌されます。
ニオイやべたつきによってマイナスのイメージを持たれることが多いですが、汗をかくことによって、良いこともあります。
汗は、体温調節・皮膚のバリア機能・滑り止め効果など、体にとってとても重要な役割を担っています。
*体温調整
汗をかくことで体温の上昇を防ぎます。
液体が蒸発して気体になるときに、周囲から熱を奪うメカニズムと同様で、皮膚の表面から汗が蒸発するときに体から熱が奪われます。
*皮膚バリア機能・免疫機能
汗による、保湿効果・抗菌作用・タンパク質分解酵素の阻害によって、菌やウイルスの侵入を防ぎ、体を守ります。
汗には、保湿の役割を持つ尿素・乳酸、抗菌作用を持つタンパク質、タンパク質分解酵素(角層を障害する)を阻害するペプチドなどが含まれています。
*滑り止め効果
汗による湿度保持によって滑り止め効果があると考えられます。
適度な湿り気によって摩擦力を高め、紙をめくる・物を握る・はだしで歩く時の歩きやすさなど、汗は日常的な生活動作をサポートしています。
このように、汗は体にとって必要なものですが、「日常生活に支障がある」「汗が多くて耐えられない」などと感じる方は、多汗症の可能性があるので、診察にてご相談ください。
【 多汗症の治療 】
医療機関では主に以下の治療が行われます。
*塗り薬による治療
塗り薬をワキに塗布します。
・汗をブロックするはたらきのある薬
・汗の出口をふさぐはたらきのある薬(医療用医薬品ではない)
*注射による治療
汗を出す指令を伝える神経に作用する薬剤を、ワキに注射します。
*手術
汗を出す指令を伝える神経を切断します。
他の治療法では効果が見られない場合と患者さんの強い希望がある場合に、医師と十分に相談した上で行います。
*その他
神経ブロック、レーザー治療・内服療法・精神療法などが上記の治療と一緒に用いられることがあります。
※当院では注射や手術、その他の治療は行っていません。
【 保険適用の塗り薬 】
*エクロックゲル5%
エクロックゲル5%は容器を用いて、薬剤をワキに塗布します。
薬剤を直接触る必要が無いため、顔や眼などに薬剤が触れてしまう心配が少ないです。
手を使って薬剤を塗布することはできません。
万が一、薬剤が手についてしまった場合は、すぐに洗い流し、顔や眼を触らないようにしましょう。
*ラピフォートワイプ2.5%
ラピフォートワイプ2.5%は、薬剤の染み込んだ不織布(ワイプ)を用いて、1日1回使い切りでワキに塗布します。
汗拭きシートに形は似ていますが、薬剤ですので、ワキ以外の場所には塗布しないでください。
使用後はよく手を洗い、体の他の部位(特に顔・眼)に触れないように注意しましょう。
また、他の方(特に子供)が触れることの内容に注意し、適切に廃棄します。
【 自費の塗り薬 】
*D-Bar(ディーバー)・D-tube(ディーチューブ)
お肌に優しい成分のデオドラント剤です。
1日1回、朝に塗れば夜まで効果が持続します。
悪臭の原因であるアンモニアを中和し、お肌の弱酸性を保ち細菌の増殖や汗のにおいを抑えます。
ワキだけでなく、手や足など体の他の部位にも使用できます。
D-Bar…直塗りのスティックタイプのデオドラント剤です。
D-tube…チューブタイプなので、デリケートゾーンにも塗りやすいです。
有効成分:
乾燥硫酸アルミニウムカリウム(食品添加物としても用いられる成分です。)
イソプロピルメチルフェノール
*セルニュープラスデオドラントクリーム
お肌に優しい成分のデオドラント剤です。
クリーム状のデオドラント剤ですので、適量を手に取りわきなどにおいの気になる部分になじませます。
皮膚吸収パウダーによって、さらさら感が持続します。
有効成分:
クロルヒドロキシAl
D-Bar(ディーバー)・D-tube(ディーチューブ)は当院受付にて購入可能です。(在庫がない場合、お取り寄せとなります。)
セルニュープラスデオドラントクリームはお取り寄せとなります。
販売元の在庫状況にもよりますが、早くて1日~2日でお渡し可能です。
今回は多汗症についてお話ししました
平井皮膚科クリニックは平井駅北口から徒歩2分
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
マルホ ラピフォートワイプ2.5%を使用される方へ
https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/rapifort/5062701.pdf
科研製薬株式会社 エクロックゲル
https://ecclock.jp/
科研製薬株式会社 ワキ汗治療ナビ
https://wakiase-navi.jp/dtc_lp01/?utm_source=yss&utm_medium=search&utm_campaign=2023ss&utm_term=word&utm_content=01_202303&yclid=YSS.1001238168.EAIaIQobChMIu_m44ZeA_wIVQaiWCh0iSQJ_EAAYBCAAEgIfsvD_BwE
株式会社ケイセイ
https://www.e-keisei.co.jp/products02#private
常盤薬品工業 セルニュープラス
https://cellnewplus.jp/ce/products/plus-deodorant.aspx