クリニックニュース

2023.06.30更新

 こんにちは、平井皮膚科クリニックです笑う

 

夏が近づくにつれて、様々な虫が発生しますねleaf

かわいい虫もいますが、中には人間に害を及ぼす危険な虫も存在します。

気づかないうちに、危険な虫が身近なところに潜んでいるかもしれませんgan

 

今回は、有毒な毛虫によって引き起こされる毛虫皮膚炎についてお話しします!

 


  

【 毛虫皮膚炎とは 】

毛虫皮膚炎は、チャドクガやイラガなど毒を持つ毛虫の毛(毒針毛・毒棘)触れることによって起こる皮膚の炎症です。
毛虫に直接触れた記憶が無くても、毛が葉や枝に付着していたり、風に飛ばされてきたりといった様々な理由で、有毒な毛に、無意識に触れてしまう可能性があります。
死んだ毛虫・毛虫の抜け殻・卵についた毒針毛(チャドクガ)も有毒で、触れると皮膚炎を起こす可能性があります。
また、何度も繰り返し毛虫に刺されることで、アレルギー反応を起こし、全身に症状が現れることもあります。
 

【 毛虫皮膚炎の症状 】
毛虫の種類によって症状は違いますが、痒い・痛いなどの症状があります。
毒針毛をもつ毛虫と毒棘をもつ毛虫、どちらに刺されたかによって症状が違います。
*毒針毛を持つ毛虫に刺された場合
チャドクガ・ドクガ・マツカレハ・クロシタアオイラガなど。
刺された直後は無症状であることがほとんどですが、時間が経ってから皮膚に炎症が起きます。
マツカレハは痛みがあります。
症状:ひどい痒み・赤み・腫れ など。
*毒棘を持つ毛虫に刺された場合
イラガ、クロシタアオイラガなど。
毒棘が皮膚に刺さると、毒液が注入され、刺された直後から激しい痛みなどの症状があります。
刺された直後の痛みは、「一度刺されると忘れられないほどの痛み」といわれています。
症状:激しい痛み・赤み・腫れ など。

 

【 毛虫皮膚炎の原因となる毛虫 】
毛虫といってもすべての毛虫が毒をもっているわけではなく、むしろ毒を持っている毛虫はほんの一部です。
毒を持った毛虫の種類を覚えておくことで、被害を回避できる可能性があります。

*有毒な毒針毛や毒棘をもって毛虫の種類
・チャドクガ
ツバキやサザンカなどに群がって大発生する毛虫です。
幼虫・脱皮殻・成虫・卵すべてに毒針毛がついているため、ほぼ1年中チャドクガに刺される可能性があります。
刺されてもすぐに症状がでないため、気づかない場合が多いです。
刺されたと気づいたら、セロハンテープなどで毒針毛を取り除きましょう。
1年中被害に遭う可能性がありますが、一番注意が必要である幼虫は、5月ごろに孵化します。
・ドクガ
サクラ・ウメ・バラ・カキなどの葉を食べる毛虫で、刺された時の症状はチャドクガよりもひどいです。
幼虫・成虫が毒針毛を持っています。
5月~6月が被害の多い時期です。
・イラガ
カキ・サクラ・ウメ・アンズ・ケヤキ・カエデ類・ヤナギ類、クリ・クルミ・ザクロなどの樹木の葉を食べます。
刺すのは幼虫だけで、マユの中の幼虫や成虫は人を刺しません。
7月・8月~10月が幼虫の発生時期で被害に遭う可能性があります。
・クロシタアオイラガ
ヤナギ類・ナシ・クリ・カキなどの樹木につく毛虫です。
葉の裏にいることが多く、気づかずに刺される可能性があります。
イラガによく似た生態を持ちますが、毒針毛と毒棘の両方を持ちます。
小型ですが、刺された場合、イラガと同じくらいの激しい痛みが走ります。
・マツカレハ
アカマツ・クロマツ・ヒマラヤシーダなどにつく毛虫です。
毒性はドクガほど強くありませんが、刺された場合、激しい痛みが走ります。
痛みや腫れはすぐになくなりますが、その後かゆみが続きます。
マツカレハの毒針毛は、毛束が目で見えるので、刺されたらセロテープやピンセットなどで取り除きましょう。
7~9月ごろに卵を産み付けられ、間もなく幼虫が孵化し、落ち葉の下などで幼虫のまま越冬し、翌年4月ごろに木に戻り、葉を食べ始めます。

 

【 毛虫皮膚炎の治療 】
毛虫に刺されたら、まずはご自身でテープなどで毒針毛を取り除きましょう。

マツカレハに刺された場合はピンセット・テープで取り除きます。

皮膚が過敏な方は、皮膚炎を起こさないように注意して、無理に取り除かずに水で洗い流すなどをしてください。

ひどい痒みを伴うことがあるので、掻き毟って悪化してしまう場合があります。
特に、お子様は痒みを我慢できずに悪化させてしまう可能性がある為、できるだけ早めに皮膚科で診察をうけてください。
*一般的な治療方法
・ステロイド軟膏
抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗ります。
・抗ヒスタミン剤
症状がひどい場合、抗ヒスタミン剤などの内服をします。
※治療に関しては、診察にて医師が症状を診たうえで、医師の判断で治療を行います。
 

【 毛虫皮膚炎の予防 】
*有毒な毛虫に近づかない。
毛虫皮膚炎を予防するには、まず毒を持つ虫に近づかないことです。
近づいてしまった場合は、テープなどで毒針毛を取り除きます。
*服装
緑の多い場所に出かける際は、毛虫に刺されないように肌の露出を控えることも大切です。
長そで・長ずぼん・軍手・帽子・スカーフ・丈の長い靴下などを着用しましょう。
*洗濯方法
毛虫と遭遇した場合、セロテープ・ガムテープなどで、服についているかもしれない毒針毛を取り除きましょう。
心配な場合は熱湯をかけても良いでしょう。(衣服が傷む可能性があります。)
毒針毛を取り除かずに洗濯機にいれてしまうと、他の衣服にも広がってしまい、同居している家族なども毛虫皮膚炎を起こしてしまう可能性がありますので、毒針毛は洗濯機に入れる前にできるだけ除去しましょう。

 


  

以上、毛虫皮膚炎についてお話ししました。

毛虫といっても、皮膚炎をおこす有毒な毛虫は一部なのですね。

これから夏に向けて、アウトドアなど楽しいイベントがあるかもしれません。

せっかくの楽しいイベントが、皮膚炎によって痒い思い出や痛い思い出になってしまわないように、予防しましょう。

 

当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。 

 

★平井皮膚科クリニックは平井駅北口から徒歩2分★

 

環境省 公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル
https://www.env.go.jp/water/noyaku/hisan_risk/manual1/900543719.pdf
公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会 庭の刺す毛虫・刺さない毛虫
https://www.jataff.or.jp/konchu/kemushi/index.html
田辺三菱製薬 ヒフノコトサイト
https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/selfmedication/1737
札幌市 衛生害虫-ドクガの被害を防ぎましょう-駆除方法~熱湯を使用する~
https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/f80mushi/dokuga/dokuga8.html

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

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