クリニックニュース

2025.07.22更新

先日、当院でアトピー性皮膚炎の新しい治療薬である「デュピクセント」について勉強会を行いました。

今回は、その内容を皆さまにもご紹介したいと思います。

アトピー性皮膚炎でお悩みの方や、新しい治療法に関心がある方はぜひ最後までお読みください。
◎デュピクセントとは?◎
デュピクセント(一般名:デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎をはじめとする炎症性疾患の治療に用いられる「生物学的製剤」と呼ばれる新しいタイプのお薬です。
従来の治療薬とは異なり、アトピー性皮膚炎の炎症の根本原因に作用することで、かゆみや湿疹を改善する効果が期待されています。

具体的には、アトピー性皮膚炎の炎症に関わる「IL-4(インターロイキン-4)」と「IL-13(インターロイキン-13)」という物質の働きをブロックすることで、

アトピー性皮膚炎の主な要因である「炎症」「かゆみ」「バリア機能低下」のすべてに対する効果が期待できます。

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◎適用病名◎
デュピクセントは、以下の疾患に適用が認められています。
• アトピー性皮膚炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)
• 気管支喘息
• 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
今回のブログでは、特にアトピー性皮膚炎について詳しく解説していきます。
◎アトピー性皮膚炎とは?◎
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な症状とする慢性的な皮膚の病気です。

アトピー素因(アレルギー体質)を持つ方に多く見られ、皮膚のバリア機能の低下と、アレルギー反応による炎症が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
乳幼児期に発症することが多いですが、成人になってから発症するケースもあります。
◎症状◎
アトピー性皮膚炎の主な症状は以下の通りです。
• 強いかゆみ: 特に夜間にかゆみが強くなり、睡眠を妨げることがあります。
• 湿疹: 赤み、ブツブツ、ジュクジュク、乾燥、皮膚のゴワつき(苔癬化)など、様々な形態の湿疹がみられます。
• 乾燥: 皮膚のバリア機能が低下しているため、皮膚が乾燥しやすく、カサカサします。
• 発症しやすい部位: 顔、首、肘や膝の裏側、関節の内側など、特徴的な部位に症状が出やすい傾向があります。
症状が悪化すると、かきむしってしまうことで皮膚が傷つき、さらに症状が悪化するという悪循環に陥りやすいため、適切な治療とスキンケアが非常に重要です。

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◎予防(悪化要因の除去)◎
アトピー性皮膚炎の症状をコントロールし、悪化を防ぐためには、以下の点に注意することが大切です。
• スキンケア: 毎日の保湿剤の使用は、皮膚のバリア機能を保ち、乾燥を防ぐ上で非常に重要です。洗浄も大切ですが、刺激の少ない洗浄料を選び、ゴシゴシ洗いすぎないようにしましょう。
• アレルゲンの回避: ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットのフケ、特定の食物などがアレルゲンとなる場合があります。血液検査などで原因を特定し、可能な範囲で回避するよう心がけましょう。
• 汗・乾燥対策: 汗はかゆみを引き起こすことがあるため、こまめに拭き取るかシャワーで流しましょう。一方、冬場の乾燥も症状を悪化させる要因となりますので、加湿器などを利用して室内の湿度を保つことも大切です。
• ストレス管理: ストレスはアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる一因となることがあります。適度な運動や趣味などでストレスを解消する時間を持つことも重要です。
• 衣類の選択: ウールなどの刺激の強い素材は避け、綿などの肌に優しい素材の衣類を選びましょう。


◎最後に◎
アトピー性皮膚炎は慢性的な病気ですが、近年、デュピクセントのような新しい治療選択肢が登場し、患者様のQOL(生活の質)の向上が期待できるようになりました。
当院では、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案できるよう、日々最新の知識をアップデートしております。

アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、当院にお気軽にご相談ください。

 

~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

《平井皮膚科の特色》
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当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
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《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

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