満開だった桜も散り始め、間もなく葉桜になりそうですね。皆様はお花見に行かれましたか?
本日は「水虫」についてお話ししたいと思います。
◎水虫とは
水虫は、正式には「白癬(はくせん)」と呼ばれる皮膚感染症です。カビの一種である白癬菌が皮膚に感染することで発症します。
主に足に発症しますが、手や頭部、体や陰部など全身の皮膚にも発症する可能性があります。
水虫の主な特徴は以下の通りです。
1. 原因:白癬菌という真菌(カビ)の感染
2. 好発部位:足(特に指の間、足裏)
3. 症状:かゆみ、皮膚の赤み、ただれ、皮むけ、水疱形成など
水虫の種類と症状
趾間型:最も一般的なタイプ。足の指の間、特に薬指と小指の間に発症。皮膚が白くふやけ、赤くただれる。強いかゆみを伴う。
小水疱型:足底や指の付け根に小さな水疱が発生。水疱が破れた後、皮がむける。激しいかゆみを伴う。
角化型:足の裏全体やかかとの角質層が厚く、硬くなる。かゆみは少ないが、ひび割れを起こすことがある。
◎水虫の治療
《治療方法》
水虫の治療には主に2つの方法があります:
1. 塗り薬(外用薬)
2. 飲み薬(内服薬)
塗り薬(外用薬)
足や手の水虫には、まず塗り薬を使用します。代表的な成分には、ルリコナゾール、ラノコナゾール、ビホナゾールなどがあります。
塗り薬の使用方法:
• お風呂上がりに塗るのが効果的です
• 症状のある部分だけでなく、指の間から足の裏全体に塗ってください
• 症状が治まっても、最低1ヶ月~2か月は塗り続けましょう
飲み薬(内服薬)
水虫の症状が重い場合や塗り薬で治りが悪い場合は、飲み薬が処方されることがあります。主な薬剤には、テルビナフィン、イトラコナゾール、ホスラブコナゾールがあります。
・治療期間
治療期間は症状や使用する薬によって異なります:
• 塗り薬:症状が改善しても最低1ヶ月~2か月は継続
• 飲み薬:テルビナフィンは6ヶ月、イトラコナゾールとホスラブコナゾールは3ヶ月の内服
◎水虫の感染経路
1. 高温多湿な環境:白癬菌は15°C以上、湿度70%以上の環境で活発になる
2. 長時間の靴の着用:特に革靴やパンプスなど
3. 二次感染:感染者が使用したマットやスリッパなどからの感染
4. 公共施設:銭湯、温泉、プール、ジムなどでの感染
5. ペットからの感染:感染したペットとの接触
◎水虫の予防と日常のケアの注意点
水虫の予防と日常のケアについて、以下の重要なポイントを押さえる必要があります。
・足の清潔維持
• 毎日入浴時に足を石けんで丁寧に洗う。特に足の裏全体と指の間を念入りに。
• ゴシゴシ洗いは避け、なでるように優しく洗う。
• 入浴後は足の裏、指の間をタオルでよく拭き、しっかり乾燥させる。
・靴と靴下の選択
• 通気性の良い靴や靴下を選ぶ。
• 綿素材や5本指ソックスなど、吸湿性の良い靴下を使用する。
• 靴は1日おきに履き替えるなど、湿気対策をする。
・家庭内の清潔維持
• こまめに掃除機をかけ、アルコール除菌スプレーで拭き掃除をする。
• バスマットやスリッパの共用を避ける。
• 床や畳の掃除、バスマットの洗濯を頻繁に行う。
・靴のケア
• 布製スニーカーは定期的に丸洗いする。
• 革靴やパンプスの中敷きは水拭きで清潔に保つ。
• 履いた靴は風通しの良い場所で陰干しする。
• 靴の中にアルコール除菌スプレーを使用する。
・その他の注意点
• 公共の場所(温泉、サウナ、ジムなど)では裸足にならないよう注意する。
• 家族に水虫患者がいる場合は、感染予防に特に気をつける。
• 足に傷をつけないよう注意し、白癬菌の侵入を防ぐ
水虫は適切な治療と継続的なケアで改善可能です。症状が改善しない場合や、自己判断での治療に不安がある場合は、皮膚科を受診してください。
水虫の完治には時間がかかることがありますが、根気強く治療を続けることが大切です。ご不明な点があれば、遠慮なくお尋ねください。
※水虫で受診される方へ
水虫の塗り薬を使用されている方は1週間程薬の使用を控えてから受診してください。検査に影響を及ぼすため正しい診断が出来ない可能性があります。
詳しくは当院にご相談ください。
~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~
《平井皮膚科クリニックの特色》
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当院では皮膚の他、頭から爪まで様々な治療を行っています。
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