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2025.06.14更新

◎手足口病とは?◎

手足口病は、日本では毎年初夏から秋にかけて流行しやすく、保育園や幼稚園など集団生活を送る子どもたちの間で特に多くみられます。

手足口病の主な原因は「コクサッキーウイルスA16型」や「エンテロウイルス71型」などの「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルス群です。

特にエンテロウイルス71型による感染は、まれに重症化することがあるため注意が必要です。
名前の通り、「手」「足」「口」を中心に発疹や水疱が現れることが特徴です。

手足

◎主な症状◎
手足口病の症状は、感染してから2~5日ほどの潜伏期間を経て現れます。
• 発熱:多くは微熱〜38度台の発熱がみられますが、熱が出ない場合もあります。
• 口内炎・口腔内の水疱:舌や頬の内側、歯ぐきなどに小さな水疱や潰瘍(口内炎)ができ、痛みを伴うことが多いです。これが原因で食欲が低下します。
• 手足の発疹・水疱:手のひら、足の裏、指先、膝や肘、臀部などに赤い発疹や小さな水疱が現れます。かゆみはあまりありません。
• 全身症状:倦怠感、食欲不振、乳幼児では不機嫌になることもあります。
ほとんどの場合、症状は7〜10日ほどで自然に軽快します。

◎感染経路◎
手足口病は非常に感染力が強い病気です。主な感染経路は以下の通りです。
• 飛沫感染:咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染。
• 接触感染:患者の水疱や口腔分泌物、唾液、鼻水などに触れた手を介して感染。
• 糞口感染:ウイルスを含む便が手などを介して口に入ることで感染。
特に乳幼児は手を口に入れることが多く、トイレやおむつ替えの際に感染しやすいので注意が必要です。

◎治療と家庭でのケア◎
手足口病に対する特別な治療法や特効薬はありません。症状を和らげる対症療法が中心となります。
• 水分補給:口内炎で痛みがあるため、脱水症状にならないようこまめに水分を摂らせましょう。
• 食事:刺激の少ない、飲み込みやすいもの(プリン、ゼリー、おかゆなど)を与えましょう。
• 解熱剤の使用:高熱や痛みが強い場合は、医師の指示に従って解熱鎮痛剤を使用します。
ほとんどのケースは自然に治りますが、次のような場合は早めに医療機関を受診してください。
• 水分が取れず、ぐったりしている
• 高熱が続く
• 意識がぼんやりしている、けいれんがある
• 呼吸が苦しそう

◎合併症について◎
手足口病は通常軽症で済みますが、ごくまれに「無菌性髄膜炎」や「脳炎」など重い合併症を起こすことがあります。

経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。
◎予防のポイント◎
手足口病には有効なワクチンはありません。感染を防ぐためには、日常の衛生管理がとても大切です。
• 手洗いの徹底:トイレやおむつ替えの後、食事前などは石けんでしっかり手を洗いましょう。
• おもちゃや共用物の消毒:ウイルスは環境中でもしばらく生存します。おもちゃやドアノブなどは定期的に消毒しましょう。
• 集団生活の制限:発症した場合は、発熱や口腔内の水疱が治るまで登園・登校を控えましょう。
咳エチケット:咳やくしゃみをする際はティッシュや肘で口を覆いましょう。

消毒手洗い

◎よくある質問◎
Q. 大人もかかりますか?
A. ほとんどは小児ですが、大人も感染することがあります。大人の場合は症状が軽いか、無症状のことも多いですが、まれに強い症状が出ることもあります。
Q. 再感染しますか?
A. 一度かかるとそのウイルス型に対する免疫はできますが、他の型のウイルスによる手足口病には再度かかる可能性があります。
Q. 動物からうつりますか?
A. 手足口病は人から人への感染のみで、動物からうつることはありません。

◎最後に◎
手足口病は多くの場合、自然に治る病気ですが、乳幼児や免疫力の低い方では脱水や重症化に注意が必要です。

ご家庭でできる予防策を徹底し、異変があれば早めに当院にご相談ください。


《平井皮膚科の特色》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

投稿者: 平井皮膚科クリニック

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