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2025.12.12更新

【尋常性白斑とは?】                                        

尋常性白斑は、皮膚の色を作るメラニンという色素が失われることで、皮膚に白い斑点ができる病気です。

世界中で見られ、人種や性別に関わらず発症しますが、遺伝的な要因が関係していることもあります。

体のどこにでも現れる可能性があり、顔、首、手、足などによく見られます。

白斑

◎原因◎
私たちの皮膚の色は、メラノサイトという細胞が作るメラニンによって決まります。尋常性白斑では、このメラノサイトが何らかの原因で破壊されてしまい、メラニンが作られなくなってしまうため、その部分が白く見えるようになります。
なぜメラノサイトが破壊されるのか、詳しいメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、いくつかの説が考えられています。
• 自己免疫説: 最も有力な説で、自分の体を守るはずの免疫細胞が、誤ってメラノサイトを攻撃してしまうというものです。橋本病(甲状腺の病気)や円形脱毛症など、他の自己免疫疾患を合併することもあります。
• 神経説: ストレスなどが原因で神経伝達物質が放出され、それがメラノサイトにダメージを与えるという説です。
• 自己破壊説: メラニンを作る過程で生じる物質が、メラノサイト自身を傷つけてしまうという説です。
• 酸化ストレス説: 活性酸素などの有害物質がメラノサイトにダメージを与えるという説です。
これらの要因が単独ではなく、いくつも組み合わさって発症すると考えられています。ストレスや日焼けなどが、白斑を悪化させたり、新たに発生させるきっかけになることもあります。

◎症状◎
白斑は、境界がはっきりした乳白色の斑点として現れます。通常、かゆみや痛みなどの自覚症状はありません。髪の毛や体毛の色も白くなることがあります。

白斑の広がり方や進行は人によって大きく異なり、数カ所の小さな斑点から、全身に広がるケースまで様々です。

一度できた白斑が自然に治ることもありますが、多くの場合、進行したり、治っても再発したりする可能性があります。
白斑
◎主な治療法◎

尋常性白斑の治療は、失われたメラニン色素を再生させること、あるいは白斑の拡大を防ぐことを目的とします。患者さんの年齢、白斑の部位や広がり、活動性などを考慮して、最適な治療法を選択します。
• 外用薬: ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などを用いて、炎症を抑えたり、免疫の働きを調整したりします。
• 光線療法: 特定の波長の紫外線を患部に当てる治療です。週に1~3回程度の通院が必要で、根気強く続けることで効果が期待できます。特にエキシマライトやナローバンドUVBといった治療が一般的です。                             
• 内服薬: 広範囲に及ぶ白斑や、進行が速い場合に、ステロイドやJAK阻害剤などの内服薬を用いることがあります。
• 外科的治療: 症状が安定していて、限られた範囲の白斑に対しては、ご自身の正常な皮膚からメラノサイトを移植する手術(表皮移植術、吸引水疱蓋移植術など)を行うこともあります。                                            ※平井皮膚科クリニックでは光線療法や移植手術は行っておりません。
これらの治療法は、効果が出るまでに時間がかかることが多く、すぐに全ての白斑が治るわけではありません。また、治療によって一度改善しても、再発することもあります。

◎日常生活での注意点◎
白斑の部分はメラニンがないため、紫外線に対する防御機能が低下しています。

そのため、日焼けをすると、周囲の皮膚は赤くなるのに白斑の部分だけは白いまま、という状態になり、かえって白斑が目立つことがありますので、日常的に日焼け止めを使用し、帽子や長袖の服で紫外線を避けるようにしましょう。

 

~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~


《平井皮膚科クリニックの特徴》

健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》
JR総武線平井駅北口から徒歩2分にございます。

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

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