クリニックニュース

2025.06.14更新

◎手足口病とは?◎

手足口病は、日本では毎年初夏から秋にかけて流行しやすく、保育園や幼稚園など集団生活を送る子どもたちの間で特に多くみられます。

手足口病の主な原因は「コクサッキーウイルスA16型」や「エンテロウイルス71型」などの「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルス群です。

特にエンテロウイルス71型による感染は、まれに重症化することがあるため注意が必要です。
名前の通り、「手」「足」「口」を中心に発疹や水疱が現れることが特徴です。

手足

◎主な症状◎
手足口病の症状は、感染してから2~5日ほどの潜伏期間を経て現れます。
• 発熱:多くは微熱〜38度台の発熱がみられますが、熱が出ない場合もあります。
• 口内炎・口腔内の水疱:舌や頬の内側、歯ぐきなどに小さな水疱や潰瘍(口内炎)ができ、痛みを伴うことが多いです。これが原因で食欲が低下します。
• 手足の発疹・水疱:手のひら、足の裏、指先、膝や肘、臀部などに赤い発疹や小さな水疱が現れます。かゆみはあまりありません。
• 全身症状:倦怠感、食欲不振、乳幼児では不機嫌になることもあります。
ほとんどの場合、症状は7〜10日ほどで自然に軽快します。

◎感染経路◎
手足口病は非常に感染力が強い病気です。主な感染経路は以下の通りです。
• 飛沫感染:咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染。
• 接触感染:患者の水疱や口腔分泌物、唾液、鼻水などに触れた手を介して感染。
• 糞口感染:ウイルスを含む便が手などを介して口に入ることで感染。
特に乳幼児は手を口に入れることが多く、トイレやおむつ替えの際に感染しやすいので注意が必要です。

◎治療と家庭でのケア◎
手足口病に対する特別な治療法や特効薬はありません。症状を和らげる対症療法が中心となります。
• 水分補給:口内炎で痛みがあるため、脱水症状にならないようこまめに水分を摂らせましょう。
• 食事:刺激の少ない、飲み込みやすいもの(プリン、ゼリー、おかゆなど)を与えましょう。
• 解熱剤の使用:高熱や痛みが強い場合は、医師の指示に従って解熱鎮痛剤を使用します。
ほとんどのケースは自然に治りますが、次のような場合は早めに医療機関を受診してください。
• 水分が取れず、ぐったりしている
• 高熱が続く
• 意識がぼんやりしている、けいれんがある
• 呼吸が苦しそう

◎合併症について◎
手足口病は通常軽症で済みますが、ごくまれに「無菌性髄膜炎」や「脳炎」など重い合併症を起こすことがあります。

経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。
◎予防のポイント◎
手足口病には有効なワクチンはありません。感染を防ぐためには、日常の衛生管理がとても大切です。
• 手洗いの徹底:トイレやおむつ替えの後、食事前などは石けんでしっかり手を洗いましょう。
• おもちゃや共用物の消毒:ウイルスは環境中でもしばらく生存します。おもちゃやドアノブなどは定期的に消毒しましょう。
• 集団生活の制限:発症した場合は、発熱や口腔内の水疱が治るまで登園・登校を控えましょう。
咳エチケット:咳やくしゃみをする際はティッシュや肘で口を覆いましょう。

消毒手洗い

◎よくある質問◎
Q. 大人もかかりますか?
A. ほとんどは小児ですが、大人も感染することがあります。大人の場合は症状が軽いか、無症状のことも多いですが、まれに強い症状が出ることもあります。
Q. 再感染しますか?
A. 一度かかるとそのウイルス型に対する免疫はできますが、他の型のウイルスによる手足口病には再度かかる可能性があります。
Q. 動物からうつりますか?
A. 手足口病は人から人への感染のみで、動物からうつることはありません。

◎最後に◎
手足口病は多くの場合、自然に治る病気ですが、乳幼児や免疫力の低い方では脱水や重症化に注意が必要です。

ご家庭でできる予防策を徹底し、異変があれば早めに当院にご相談ください。


《平井皮膚科の特色》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.06.12更新

「皮膚科ではどんな検査をするの?」という疑問をお持ちの方に向けて、当院で主に行われている検査の種類とその目的、どんな時に検査が必要になるのかを解説します。平井皮膚科クリニックでは、視診や問診に加え、必要に応じて科学的な検査を行うことで、肉眼では捉えきれない肌の奥の状態や、症状を引き起こす根本的な原因を特定し、より効果的で安心できる治療へと繋げます。皮膚疾患の正確な診断は、治療成功への第一歩です。

主な検査の種類と目的
当院では、患者様の症状や状態に合わせて、以下のような様々な検査を実施しています。
1. ダーモスコピー検査:皮膚腫瘍の診断に不可欠な拡大観察
• 目的: ほくろや皮膚のできもの(皮膚腫瘍)が良性か悪性か、特に皮膚がんの早期発見に非常に有用な検査です。メラノーマ(悪性黒色腫) など、肉眼では判断が難しい病変の細かな特徴を詳細に観察します。また、脱毛症の診断や病状の進行度合いを評価する際にも用いられます。
• 方法: 特殊な拡大鏡(ダーモスコープ)を用いて、皮膚の表面に光を当てながら病変部を数倍から数十倍に拡大して観察します。痛みは全くなく、数分で完了する非侵襲的な検査です。
• 特徴: 患者様への負担が少なく、皮膚がんの鑑別に大きな力を発揮します。

2. 細菌培養検査:感染症の原因菌を特定
• 目的: とびひ(伝染性膿痂疹) や毛嚢炎、蜂窩織炎など、細菌感染が疑われる皮膚病変の原因となっている細菌の種類を特定します。適切な抗菌薬の選択に役立ち、治りにくい皮膚炎の原因解明にも繋がります。
• 方法: 患部から綿棒で膿や滲出液を採取し、専用の培地で細菌を培養します。数日後に増殖した細菌の種類を特定し、どの抗菌薬が効果的かを調べます(薬剤感受性検査)。
• 特徴: 原因菌を正確に把握することで、より効果的で耐性菌を増やさない治療に繋がります。

3. ウイルス抗原検査:ウイルス感染症を迅速に診断
• 目的: 単純ヘルペス(や帯状疱疹など、ウイルス感染症が疑われる際に、患部にウイルスが存在するかどうかを迅速に確認します。突然の水ぶくれや痛みを伴う発疹の診断に有効です。
• 方法: 患部の水疱の内容物や皮膚の一部を綿棒で採取し、専用のキットや機器を用いてウイルス抗原の有無を調べます。多くの場合、数分から数十分で結果が出ます。
• 特徴: 早期に診断が確定することで、抗ウイルス薬による迅速な治療開始が可能になります。

4. 真菌の顕微鏡検査(顕微鏡的直接鏡検):水虫・たむしの確定診断
• 目的: 水虫(足白癬)やたむし(体部白癬、股部白癬)、爪水虫(爪白癬) など、白癬菌(カビの一種) が原因の皮膚病変であるかを確定診断します。足のかゆみや皮むけ、爪の変色などの症状がある場合に重要です。
• 方法: 患部の皮膚の表面から、ガサガサした垢(鱗屑)や爪の一部を少し採取し、特殊な液体で処理した後に顕微鏡で直接観察します。白癬菌の菌糸が見つかれば確定診断となります。痛みはほとんどありません。
• 特徴: その場で診断できることが多く、すぐに水虫治療を開始できます。

5.爪白癬抗原検査:爪水虫のより迅速な診断
• 目的: 爪水虫(爪白癬)の診断をより迅速かつ正確に行うための検査です。真菌の顕微鏡検査と合わせて行うことで、診断の精度を高め、爪の変形や肥厚の原因を明確にします。
• 方法: 爪の一部を採取し、専用のキットで白癬菌の特定の抗原を検出します。
• 特徴: より早期の爪水虫の確定診断を求める場合に有用です。

顕微鏡

6. 皮膚生検・病理組織検査:皮膚疾患の最終診断
• 目的: 視診や他の検査だけでは診断が難しい皮膚のできもの(腫瘍)や炎症性疾患、など、様々な皮膚疾患の確定診断のために行われる最も重要な検査の一つです。良性か悪性かの判断にも不可欠で、難治性の湿疹や原因不明の発疹の診断に役立ちます。
• 方法: 局所麻酔を施した後、病変部のごく一部を小さく切り取ります。採取した組織は病理医に送られ、顕微鏡で詳細に観察・診断されます。
• 特徴: 検査自体は数分で終了しますが、病理診断には通常2週間程度の時間を要します。当院では、患者様への負担を最小限に抑えつつ、正確な診断を追求します。

7. 血液検査:全身の状態把握と特定の疾患の診断
• 目的:アレルギーの原因物質の特定(View39など、当院で実施可能な項目)、手術前の全身状態の評価(肝機能、腎機能、貧血、感染症の有無など)のために行われます。全身症状を伴う皮膚炎の原因などを探る際にも重要な検査です。
• 方法: 腕の静脈から少量の血液を採取します。
• 特徴: 皮膚の症状だけでなく、全身の健康状態との関連性を評価する上で重要な情報が得られます。

採血

まとめ:正確な検査で安心の治療を
皮膚科での検査は、患者様の肌の悩みの真の原因を突き止め、最適な治療へと導くための大切なステップです。
「気になる症状がある」「なかなか治らない皮膚トラブルがある」という方は、一人で悩まず、どうぞお気軽に平井皮膚科にご相談ください。

~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~
《平井皮膚科の特色》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.06.03更新

当院《平井皮膚科クリニック》が属する医療法人社団俊爽会では患者様の健康意識を高め、健康寿命を

伸ばしていただくための取り組みを行っております。

6月の取り組みは『胸部レントゲン・骨密度測定・心電図検査』です

胸部レントゲンは、肺炎・結核・肺がん・心臓の拡大などの疾患を診断するのに役立ちます。

レントゲン

 

骨密度測定は、骨の密度や強度の評価、骨粗しょう症の診断に役立ちます。

骨密度

 

心電図検査は、心臓の電気的な活動を記憶し、心臓のリズムや拍動を評価し、不整脈や心臓の病気を

診断する検査です。

心電図

 

私たちとはじめませんか?健康意識改革!

なお検査は、当院から徒歩数分の所にある系列クリニックの仁愛堂クリニックをご紹介させていただきます。

《平井皮膚科クリニックの特徴》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》
JR総武線平井駅北口から徒歩2分にございます。

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.06.03更新

「なんだか肌の調子が悪い」「これって皮膚の病気?」 私たちの皮膚は、常に外部からの刺激にさらされており、様々なトラブルに見舞われることがあります。このコラムでは、平井皮膚科クリニックに多くご相談いただく、代表的な皮膚の病気について、その症状や原因、一般的な治療法をご紹介します。皮膚の不調が、どの病気に当てはまるのかを知る手助けになれば幸いです。

湿疹・皮膚炎
• 症状: 赤み、かゆみ、小さなブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)、ジュクジュクとしたただれ、かさつき、皮膚の厚みが増す(苔癬化)など。
• 原因:
o 外的要因: 汗、乾燥、化粧品や金属による接触(かぶれ)、洗剤、紫外線など。
o 内的要因: アレルギー体質、アトピー素因、ストレス、疲労、内臓疾患など。
• 代表的な湿疹・皮膚炎:
o アトピー性皮膚炎: 強いかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の病気です。
o 接触皮膚炎(かぶれ): 特定の物質が皮膚に触れることで炎症が起こる病気です。
o 脂漏性皮膚炎: 皮脂の分泌が多い頭部、顔(特にTゾーン)、脇の下などに、赤みやフケのようなカサつきが生じる皮膚炎です。マラセチア菌というカビの一種が関与していることもあります。
o 手湿疹: 水仕事や洗剤、刺激物などに触れる機会が多い手にできる湿疹です。ひび割れやあかぎれを伴うこともあり、日常生活に支障をきたしやすい病気です。
• 治療: ステロイド外用薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬の内服などが基本となります。原因を特定し、それを避けることも重要です。

蕁麻疹(じんましん)
• 症状: 数ミリから数センチ大の赤く盛り上がった膨疹(ぼうしん)が突然現れ、強いかゆみを伴う。一つ一つは短時間で消えるが、場所を変えて繰り返し出る。
• 原因:
o アレルギー性: 特定の食べ物、薬剤、虫刺されなど。
o 非アレルギー性: 物理的な刺激(摩擦、圧迫、寒冷、温熱)、発汗、ストレス、疲労など。原因が特定できないことも多いです(特発性蕁麻疹)。
• 治療: 抗ヒスタミン薬の内服が中心となります。症状が重い場合は、ステロイドの内服を一時的に用いることもあります。原因が分かれば、それを避けることが再発防止につながります。

ニキビ(尋常性ざ瘡)
• 症状: 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ(炎症を伴う)、膿を持った黄ニキビ、ニキビ跡(色素沈着やクレーター)など。
• 原因: ホルモンバランスの乱れ、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖、ストレス、不規則な生活習慣、間違ったスキンケアなど。
• 治療: 外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬など)、内服薬(抗菌薬、ビタミン剤など)、ケミカルピーリングや光治療(IPL)などの自費診療もあります。日頃の丁寧な洗顔と保湿も重要です。

水虫(足白癬)
• 症状: 足の指の間の皮がむける、水ぶくれができる、足の裏全体がカサつく、かゆみ(ない場合もある)、爪が白く濁る・厚くなるなど。
• 原因: 白癬菌の感染。高温多湿の環境を好むため、蒸れた靴下や靴、公共の場の足拭きマットなどを介して感染することがあります。
• 治療: 抗真菌薬の外用薬が一般的です。爪水虫や広範囲に及ぶ場合は内服薬が効果的です。

イボ(尋常性疣贅)
• 症状: 表面がザラザラした、硬く盛り上がった皮膚のできもの。色は皮膚の色に近いものから褐色まで様々。痛みやかゆみは通常ありませんが、足の裏にできると痛みを伴うこともあります。
• 原因: ヒトパピローマウイルスの感染。小さな傷口からウイルスが侵入し、増殖することでイボができます。接触によって他の部位や他の人にうつることもあります。
• 治療: 液体窒素による冷凍凝固療法が一般的です。

乾燥肌・かゆみ
• 症状: 皮膚のカサつき、粉吹き、ひび割れ、赤み、かゆみ。ひどくなると湿疹を併発することもあります。
• 原因: 空気の乾燥(特に冬)、加齢、誤ったスキンケア(洗いすぎ、熱すぎるお湯での入浴)、アレルギー体質、特定の疾患など。
• 治療: 保湿剤によるスキンケアが基本です。かゆみが強い場合は、ステロイド外用薬やかゆみ止めの内服薬が処方されます。入浴方法や生活習慣の見直しも大切です。

皮膚のトラブルは平井皮膚科クリニックへご相談ください
ご紹介した病気は、皮膚科で診る病気のごく一部にすぎません。 「もしかして?」と思う症状があれば、自己判断で市販薬を使用したり、放置したりせずに、早めに専門医に相談することが大切です。皮膚の症状は見た目だけでなく、全身の健康状態を反映していることもあります。平井皮膚科クリニックでは、丁寧な診察と的確な診断を行い、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案いたします。気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご来院ください。
~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~
《平井皮膚科の特色》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

 

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.06.01更新

お肌の悩みを抱えたとき、「皮膚科と美容皮膚科、どちらに行けばいいんだろう?」と迷う方は少なくありません。一見同じように見える「皮膚」を診るクリニックですが、実はそれぞれ専門とする領域や治療内容、目的が大きく異なります。
皮膚科と美容皮膚科の明確な違いを分かりやすく解説し症状やお悩みに合わせてどちらのクリニックを受診すべきか、具体的な判断基準をご紹介します。
1. 皮膚科と美容皮膚科、それぞれの「目的」の違い
皮膚科と美容皮膚科の最も大きな違いは、その「治療目的」にあります。
1-1. 一般皮膚科の目的:皮膚の病気を「治療する」こと
一般皮膚科は、様々な皮膚の「病気」を診断し、治療することを目的としています。皮膚の炎症、痛み、かゆみといった症状を和らげ、病気を治癒させることが、一般皮膚科の役割です。基本的に、健康保険が適用される範囲内での治療が中心となります。
1-2. 美容皮膚科の目的:お肌を「美しく改善する」こと
一方、美容皮膚科は、皮膚疾患の治療というよりも、「肌をより美しく改善する」ことに焦点を当てています。病気ではないけれど気になるお肌のお悩みに対して、美容的なアプローチで改善を目指します。肌質の改善やアンチエイジングなど、「美しさ」を追求するための治療が中心となるため、多くの場合、健康保険は適用されず、自費診療となります。
2. 具体的な「診療内容」と「対象となるお悩み」
それぞれの目的の違いから、診療内容や対象となるお悩みも大きく異なります。
2-1. 一般皮膚科で診る主な症状・疾患
一般皮膚科では、主に以下のような症状や疾患に対応しています。
• 炎症を伴う症状: 赤み、腫れ、熱感、湿疹、かぶれ、かゆみ、アトピー性皮膚炎、じんましん
• 感染症: 水虫、ヘルペス、帯状疱疹、いぼ、伝染性軟属腫(水いぼ)
• ニキビ: 炎症を起こしている尋常性ざ瘡(保険適用での治療)
• 外傷: やけど、日焼け、すり傷、(※当院では対応できない場合は他院へ紹介させていただく場合もございます)
• その他: 脱毛症、乾燥肌、かゆみ、皮膚のしこり、ほくろ(病的・悪性疑いのあるもの)
これらの症状は、放置すると悪化したり、日常生活に支障をきたしたりする可能性があるため、一般皮膚科へ早期の受診をお勧めします。

皮膚科
2-2. 美容皮膚科で改善できるお悩み・施術
美容皮膚科では、以下のようなお悩みに対して、多種多様な治療法や施術を提供しています。
• シミ・くすみ: レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、ピコレーザーなど)、光治療(IPL)、ケミカルピーリング、イオン導入、内服薬・外用薬
• ニキビ・ニキビ跡: ケミカルピーリング、レーザー治療、ダーマペン、イオン導入、光治療、美肌点滴
• シワ・たるみ: ヒアルロン酸注射、ボツリヌストキシン注射、HIFU(ハイフ)、RF(ラジオ波)、糸リフト
• 毛穴の開き・黒ずみ: ケミカルピーリング、レーザー治療、ハイドラフェイシャル、イオン導入
• その他: 医療脱毛、薄毛治療(AGA・FAGA)、医療痩身、多汗症治療、肝斑治療、ほくろ・いぼの除去(美容目的)、プラセンタ注射、各種美肌点滴
最新の医療機器や薬剤を用いることで、より効果的で安全な方法で、患者様一人ひとりのお肌の悩みに寄り添った治療が可能です。

美容皮膚科
※どちらを受診すべきか判断に迷う場合は、まずは一般皮膚科に相談することをおすすめします。診断の結果、美容皮膚科での治療が適していると判断されれば、適切なアドバイスを受けることができます。
3.平井皮膚科クリニックが目指す「お肌の健康と美しさ」
平井皮膚科クリニックでは、保険診療を中心とした一般皮膚科として、お子様からご高齢の方まで、地域の皆様の皮膚の健康を守ることを第一に考えております。湿疹やニキビ、アトピー性皮膚炎など、日常的な皮膚トラブルの治療はもちろんのこと、患者様一人ひとりの症状に真摯に向き合い、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。
また、自費診療による光治療(IPL)、ケミカルピーリング、プラセンタ注射、白玉注射、クリストファン注射、にんにく注射、男性型脱毛症の治療も行っております。
まずは、お肌のどんなお悩みでも、平井皮膚科クリニックへお気軽にご相談ください。

~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~
《平井皮膚科の特色》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。
《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.05.27更新


先日、当クリニックでは「オテズラ錠」についての勉強会を実施しました。

乾癬や掌蹠膿疱症でお悩みの方にとって、新しい治療選択肢となるこのお薬についてお話しします。

study


オテズラ錠とは?
オテズラ錠(一般名:アプレミラスト)は、PDE4(ホスホジエステラーゼ4)という酵素の働きを抑えることで、炎症を引き起こす物質の産生を抑制する、新しいタイプのお薬です。

疾患による炎症を抑え、症状の改善が期待できます。
オテズラ錠は、主に以下の疾患に使用されます。
• 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
• 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
これらの病気は、いずれも慢性的な炎症を伴い、患者さんの生活の質に大きく影響を与えることがあります。

また、掌蹠膿疱症に関して令和7年3月から適用開始となり、今回勉強会を開催する運びとなりました。
オテズラ錠の特徴
• 内服薬であること: これまでの生物学的製剤が注射による投与であったのに対し、オテズラ錠は飲み薬であるため、ご自宅で手軽に服用できるという大きなメリットがあります。
• 幅広い乾癬のタイプに対応: 尋常性乾癬だけでなく、関節症状を伴う関節症性乾癬、重症型の膿疱性乾癬や乾癬性紅皮症にも適用があります。
副作用について
どんなお薬にも副作用のリスクはありますが、オテズラ錠で比較的多く報告されているものとしては、下痢、吐き気、上気道感染症、頭痛などがあります。

これらの症状の多くは軽度で、服用を続けるうちに改善することが多いとされています。しかし、気になる症状があれば、遠慮なく当院にご相談ください。
次に適応病名である尋常性乾癬、掌蹠膿疱症についてお話しします。

◎尋常性乾癬とは◎
尋常性乾癬は、皮膚が赤くなり(紅斑)、その上に銀白色のフケのようなもの(鱗屑)が厚く付着し、それがポロポロと剥がれ落ちるのが特徴です。かゆみを伴うこともあります。
この病気は、皮膚の細胞が通常よりもはるかに速いスピードで増殖し、成熟する前に表面に押し上げられてしまうことで起こります。

症状
• 紅斑(こうはん): 赤く盛り上がった発疹。
• 鱗屑(りんせつ): 紅斑の上に付着する銀白色のフケのようなもの。
• 浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう): 皮膚が厚く硬くなること。
• かゆみ: 個人差はありますが、かゆみを伴うことが多いです。
好発部位は、頭皮、肘(ひじ)、膝(ひざ)、お尻など、刺激を受けやすい場所によく見られます。

原因
原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因に加えて、ストレス、肥満、喫煙、飲酒、感染症、特定の薬剤などが発症や悪化に関与すると考えられています。

自己免疫疾患の一つと考えられており、体の免疫システムが皮膚に対して過剰に反応することで炎症が起こるとされています。

◎掌蹠膿疱症とは◎
掌蹠膿疱症は、手のひら(掌)や足の裏(足底)に、小さな膿(うみ)を持ったブツブツ(膿疱)が繰り返しできる病気です。

この膿疱は、ニキビの膿のように細菌が原因でできるものではなく、無菌性(細菌がいない)であることが特徴です。

症状
主な症状は以下の通りです。
• 膿疱(のうほう): 手のひらや足の裏に、直径数ミリ程度の黄色っぽい小さな水ぶくれのような膿疱ができます。
• 紅斑(こうはん): 膿疱の周りが赤くなります。
• 鱗屑(りんせつ)・落屑(らくせつ): 皮膚がカサカサして、フケのように剥がれ落ちることがあります。
• 角化・ひび割れ: 症状が長く続くと、皮膚が厚く硬くなり、ひび割れて痛みが生じることもあります。

原因
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
●扁桃腺の炎症(扁桃炎)や虫歯などの病巣感染: 体のどこかに慢性的な炎症があると、それが引き金となって掌蹠膿疱症が発症したり、悪化したりすることがあります。
●喫煙: 喫煙は掌蹠膿疱症の発症や悪化に強く関連していることが知られています。
● 金属アレルギー: 歯科金属などが原因でアレルギー反応が起こり、掌蹠膿疱症として現れることがあります。
●免疫の異常: 体の免疫システムが過剰に反応することで、炎症が起こると考えられています。

最後に
オテズラ錠は、乾癬や掌蹠膿疱症でお悩みの方々にとって、治療の選択肢を広げる有望な薬です。

乾癬や掌蹠膿疱症でお困りの方、オテズラ錠についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。

 

《平井皮膚科クリニックの特徴》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》
JR総武線平井駅北口から徒歩2分にございます。


~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.05.27更新


汗疱は、手のひらや足の裏、指などに小さな水疱ができる皮膚疾患です。さらに、それが刺激性接触皮膚炎などを合併し、指側面や手背に拡大して掻痒を伴う異汗性湿疹という疾患に繋がります。

季節の変わり目ごとに再発することもあり、かゆみを伴うことが多く、見た目にも影響するため、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

手
1.病態
汗疱は、汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚の中に溜まってしまうことで発症すると考えられています。しかし、正確な原因はまだ解明されていません。
2.原因
汗疱の主な原因は、以下のとおりです。
多汗: 汗をかきやすい人は、汗疱を発症しやすい傾向があります。
金属アレルギー: ニッケルやコバルトなどの金属アレルギーが、汗疱の原因となることがあります。
ストレス: ストレスは、汗疱を悪化させる要因となることがあります。
その他: 喫煙、特定の薬剤、真菌感染なども、汗疱の原因となる可能性があります。

汗疱
3.症状
汗疱の主な症状は、以下のとおりです。
• 手のひら、足の裏、指などに小さな水疱ができる
• 水疱は、かゆみを伴うことが多い
• 水疱が破れると、皮膚が赤くなったり、ただれたりすることがある
• 症状が重い場合は、痛みや発熱を伴うことがある
4.検査
汗疱の診断は、通常、視診によって行われます。しかし、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合は、以下の検査を行うことがあります。

※当院では行っていない検査もあります。詳しくはお問い合わせください。
• パッチテスト: 金属アレルギーの有無を調べる
• 真菌検査: 真菌感染の有無を調べる
5. 治療
汗疱の治療法は、症状の程度や原因に合わせて選択されます。

※当院では行っていない治療もあります。詳しくはお問い合わせください。
• 外用療法: ステロイド外用薬、抗ヒスタミン外用薬などを使用します。
• 内服療法: 抗ヒスタミン薬、抗真菌薬などを使用します。
• イオントフォレーシス: 手足に微弱な電流を流し、汗腺の働きを抑えます。
ボツリヌス毒素注射: 汗腺の働きを抑えるために、ボツリヌス毒素を注射します。
6.予防、対策
汗疱を予防したり、症状を悪化させたりしないためには、以下の点に注意しましょう。
• 汗をかいたらこまめに拭き取る: 汗をかいたままにすると、汗腺が詰まりやすくなります。
• 通気性の良い靴下や靴を履く: 足の蒸れを防ぎます。
• ストレスを溜めない: ストレスは、汗疱を悪化させる要因となります。
• 金属アレルギーがある場合は、金属製品の使用を控える: アクセサリーや時計など、金属が直接触れるものを避けましょう。
• バランスの取れた食事を心がける: ビタミンやミネラルをバランスよく摂取しましょう。

あせふき
7. まとめ
汗疱は、根気強く治療を続けることで、症状の改善が期待できます。医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけ、前向きに付き合っていきましょう。

何か気になる事がございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

《平井皮膚科クリニックの特徴》
健康や病気について学べるクリニック
当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。
お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》
JR総武線平井駅北口から徒歩2分にございます。


~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.05.26更新

 

 6月

※女性医師について

女性医師ご希望の方は第1・第3土曜日の森医師、第2・第4日曜日佐藤医師へのご案内となりますが、

第1・第3土曜日の森医師は形成外科手術のご予約を優先させていただくため、

診察までの待ち時間が1時間~2時間以上かかる場合がございます。

お時間に余裕を持ってご来院をお願いいたします。

※毎週木曜日診察していた女性医師が退職となる為、今月から女性医師の診察日は第1・第3土曜日、第2・第4日日曜日に変更となりましたので、ご了承ください※

 

 

※形成外科について

形成外科外来は第1・第3土曜日のみとなります。形成担当医が休診の場合もありますので事前にご確認ください。

また診察まで待ち時間がかかる場合がございますので、お時間に余裕を持ってご来院下さい。

 

《平井皮膚科クリニックの特色》
健康や病気について学べるクリニック。当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。

お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》
JR総武線平井駅北口より徒歩2分(西友さんの並び、小さな公園のとなり)にございます。

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.05.22更新

皮膚科に行くべき時は?症状とタイミングについて解説

「なんだか肌が荒れてきた」「急にブツブツができた」など、私たちは日常生活の中で様々な皮膚のトラブルに遭遇します。これらの症状が出た時、

「市販薬で様子を見ようか」「そのうち治るだろう」と安易に考えがちですが、実は皮膚科を受診する適切なタイミングを知っておくことが、早期解決と悪化防止につながります。

はじめに - 皮膚科とは?

皮膚科は、皮膚、毛髪、爪に関するあらゆる病気や症状を専門とする診療科です。かゆみや痛みといった自覚症状のあるものから、見た目の変化が気になるものまで、幅広い悩みに対応しています。

当院、平井皮膚科クリニックでは、患者様一人ひとりの症状やお悩みに寄り添い、丁寧な診察と適切な治療をご提供することを大切にしています。

皮膚科に行くべき症状

以下のような症状が現れた場合は、自己判断せずに皮膚科を受診することをおすすめします。

肌のトラブル:

o かゆみ、湿疹、赤み: 蕁麻疹のように突然現れるもの、アトピー性皮膚炎のように慢性的に続くもの、接触性皮膚炎のように特定の刺激によって起こるものなど、原因や症状は様々です。

放置すると悪化したり、他の皮膚炎を引き起こしたりする可能性があります。

o ニキビ: 思春期だけでなく、大人になってからも悩まされることの多いニキビ。炎症がひどくなると跡が残ってしまうこともあります。

o 肌荒れ: 乾燥、粉吹き、つっぱり感など、様々な形で現れます。適切なスキンケアだけでは改善しない場合は、皮膚科にご相談ください。

o できもの: イボ、粉瘤、稗粒腫など、種類によって治療法が異なります。良性・悪性の判断も専門医が行います。

o 水疱: ヘルペス、帯状疱疹、水虫などで見られる症状です。感染力が強い場合もあるため、早めの受診が必要です。

爪のトラブル:

o 変色・変形: 爪白癬(爪水虫)、陥入爪、爪の肥厚など、様々な原因が考えられます。

o 痛み: 炎症や感染が疑われます。

毛髪のトラブル:

o 抜け毛: 円形脱毛症や男性型脱毛症など、原因に応じた治療が必要です。

o フケやかゆみ: 脂漏性皮膚炎などが考えられます。

その他:

o やけど: 程度によっては専門的な治療が必要です。

o 虫刺され: 腫れや痒みがひどい場合、アレルギー反応が出ている場合は受診しましょう。

o 乾燥肌: 保湿ケアだけでは改善しない場合は、皮膚科で適切なスキンケア方法や保湿剤について相談できます。

皮膚科に行くタイミング

「これくらいの症状なら…」と様子を見ているうちに、症状が悪化してしまうことは少なくありません。自己判断せずに、以下のようなタイミングで皮膚科を受診することをおすすめします。

• 症状が出始めたら、なるべく早く: 早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、早期治癒につながります。

• 症状が改善しない、または悪化する場合: 市販薬を使用しても効果がない場合や、症状が悪化している場合は、自己判断での治療を中止し、皮膚科を受診してください。

• セルフケアで対応できない場合: 自分でできるケアには限界があります。専門医の診断と治療が必要な場合があります。

• 慢性的な症状の場合: アトピー性皮膚炎や慢性的な湿疹など、長期間続く症状は、定期的な診察と適切な管理が大切です。

• 予防のための受診: 例えば、乾燥肌のケア方法や紫外線対策など、皮膚の健康を保つためのアドバイスを受けることも可能です。

平井皮膚科クリニックでの治療

当院では、患者様の症状を丁寧に問診し、視診や必要に応じて各種検査(皮膚生検、血液検査、アレルギー検査など)を行い、正確な診断に基づいた治療を行います。

治療法は外用薬、内服薬の処方のほか、手術など、患者様の状態に合わせて適切なものを選択します。

まとめ - 迷ったらお気軽にご相談ください

皮膚のトラブルは、見た目の問題だけでなく、日常生活の質を大きく左右することもあります。「もしかして皮膚科に行った方が良いのかな?」と迷ったら、

我慢せずに平井皮膚科クリニックへお気軽にご相談ください。皆様の健やかな肌を守るために、専門的な知識と丁寧な診療でサポートさせていただきます。

 

~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

《平井皮膚科の特色》

健康や病気について学べるクリニック

当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。

お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》

JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

2025.05.19更新

円形脱毛症とは
円形脱毛症は、突然、頭髪や体毛の一部が円形または楕円形に抜け落ちる病気です。多くの場合、コイン状の脱毛斑が1か所または複数現れるのが特徴です。

発症は男女問わず、年齢も子どもから大人まで幅広くみられます。

はげううげ

円形脱毛症の種類
円形脱毛症にはいくつかの種類があり、脱毛の範囲や形によって分類されます。主なタイプは以下の通りです。
• 単発型
もっとも一般的なタイプで、頭髪などに円形または楕円形の脱毛斑が1か所だけ現れます。多くは自然に治ることが多いです。
• 多発型
脱毛斑が2か所以上、複数現れるタイプです。脱毛範囲が広がり、脱毛斑同士がつながることもあります。
• 蛇行型
後頭部から側頭部の生え際に沿って、帯状に脱毛が広がるタイプです。治療に時間がかかることがあります。
• 全頭型
脱毛が頭部全体に広がり、頭髪がすべて抜けてしまうタイプです。治療は長期化しやすいです。
• 汎発型
頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜けてしまう重症型です。治療も長期間にわたることが多いです。

このように、円形脱毛症は症状の範囲や進行度によって複数のタイプに分かれ、それぞれ治療や経過が異なります。

 

 はげ

 

 主な原因

• 自己免疫疾患
近年、最も有力視されている原因は「自己免疫異常」です。体の免疫システムが誤って自分の毛根(毛包)を異物とみなし、攻撃してしまうことで発症します。

これにより毛根がダメージを受け、健康な髪の毛でも突然抜け落ちてしまいます。
• 遺伝的要素
家族に円形脱毛症の患者がいる場合、発症リスクが高くなることが分かっていますが親子間の遺伝で発生する率は10%程度といわれています。
• 精神的・肉体的ストレス
ストレスが自律神経や免疫バランスに影響し、発症リスクが高まると考えられていますが直接的な関連はわかっていません。
• アトピー素因・アレルギー体質
アトピー性皮膚炎やアレルギー性疾患を持っている方は、円形脱毛症を発症しやすい傾向があります。
• ホルモンバランスの変化
特に出産後の女性など、ホルモンバランスの急激な変化が原因となることもあります。
• ウイルス
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染が脱毛の誘因となることがあります。


症状
• 突然、円形または楕円形の脱毛斑が現れる
• 脱毛部の皮膚は赤みやかゆみがないことが多い
• 脱毛部が1か所だけでなく、複数現れることもある
• 脱毛範囲が広がる、再発を繰り返すこともある


治療法
現在、根治を保証する治療法はありませんが、さまざまな治療法が用いられています。

※効果には個人差があります。


• ステロイド外用薬
強い炎症を抑える作用があり、主に脱毛部分に塗布します。
効果が期待できますが、長期間同じ部位に塗り続けると皮膚が薄くなり、毛細血管が拡張するなどの副作用が出ることがあります。
• カルプロニウム塩化物外用液(商品名:フロジン®など)
 血管を広げて頭皮の血流を良くし、発毛を促進する作用があります。
効果は個人差があり、単独で劇的な効果が出ることは少ないですが、他の治療と併用されることが多いです。
• ミノキシジル外用薬
 血管拡張作用があり、発毛を促す目的で使われます。
 円形脱毛症への効果は限定的ですが、他の治療と組み合わせることがあります。
• 内服薬(抗アレルギー薬など)
症状や脱毛範囲に応じて使い分けられます。重症例にはJAK阻害薬やステロイド内服が、軽症~中等症例には抗アレルギー薬やセファランチンなどが選ばれることが多いです。

• 冷却療法

液体窒素を用いて脱毛斑に刺激を加えることで発毛を促します。
• 局所免疫療法(SADBEやDPCPなどの外用) ※当院では行っておりません
特殊な薬剤を脱毛部位に塗って、わざと軽いかぶれを起こし、免疫のバランスを整えて発毛を促す治療です。
広範囲の脱毛や難治性の場合に用いられ、有効率は60~90%とされています。
• その他 ※当院では行っておりません
光線療法、植毛などが補助的に行われることもあります。


日常生活での注意点
• ストレスを溜め込まないことが大切です。
• バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけてください。
• 頭皮を清潔に保ちましょう
• 軽度の運動や入浴で血行促進をしましょう。
• アルコールはほどほどに、喫煙はさけましょう。髪の毛の成長を妨げる血行不良、栄養不足の要因になります。

食事睡眠

最後に
円形脱毛症は、自己免疫の異常やストレスなど複数の要因が関与する脱毛症です。突然発症し、自然に治る場合もあれば長期化することもあります。

また回復しても半年以内に再発する方も多くいます。治療法は複数あり、症状や年齢、生活背景に合わせて選択されます。

気になる症状があれば、早めに当院ご相談ください。

 

《平井皮膚科の特色》

健康や病気について学べるクリニック

当院では皮膚のほか、頭から爪まで様々な治療を行っています。

お困りの際は平井皮膚科クリニックまでお問い合わせ、ご来院ください。

《アクセス》

JR総武線平井駅北口より徒歩2分にございます。

 

~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修~

 

 

 

投稿者: 平井皮膚科クリニック

前へ 前へ

entryの検索

月別ブログ記事一覧

平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211 平井皮膚科クリニック TEL:03-5655-1211